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ろいこの備忘録

ジュエリータワー

今日は雨だったので、土曜日に立ち寄った京都府立植物園ネタです。

エキウム・ウィルドプレッティ(ムラサキ科 Echium wildprettii
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去年はこの場所にハゲイトウが植わってたのですが、行ってみてビックリ。
前に牧野植物園で見たあの珍植物ではないか〜!
こんなにたくさん咲かせられるということは、栽培しやすい植物なんでしょうか?
開花までに2年か3年くらいかかるらしいので、少なくとも大苗での移植OKということですよね・・・
実生で増やせるのかな?
広い公園や植物園のような場所でないと似合わないと思うので、需要は少なそうですが・・・
(ちなみに花壇の縁取りの黄色い花はムルチコーレです。色取りが素晴らしいですね〜)
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ミツバチが盛んに飛び回っていたので、置きピン単写でトライしましたが、上手く撮れませんでした・・・
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なるほど、ムラサキ科と言われれば花序の形はムラサキ科っぽいです。
忘れな草の親戚とはちょっと思えない姿ですけどね(笑


追記:
大変失礼しました…
これを咲かせるためには大変な努力と技術がつぎ込まれているようです。
日本一の「宝石の塔」 現場の技術力のすごいワザ(平成19年5月16日)
ホンマモンの生物である植物を扱っていますと教科書には書いてない事柄にいくらでも遭遇します。 教科書を参考にしない、ということではありません。 国内のどの参考書、どの図鑑、どの事典にもその栽培のノウハウが載っていない植物の種子を目の前にして、さて、花を咲かすには?と考えた瞬間から戦いがはじまります。 我々が教科書を作り上げていくしかありません。
「エキウム・ウィルドプレッティー」、別名を「宝石の塔=Tower ofJewels」。
種子を播種して3年目で開花に至る、カナリア諸島原産のいわば3年草。 正確を期すと、2年草。でも我々は長年の試行錯誤の積み上げから、もっともうまく咲かせるためには3年目、ということを知りました。 1980年、国内初導入した種子は1982年に国内初開花に成功し、その後、種子の保存から、播種、鉢上げ、鉢替え、植え込み、開花に至るまでの奥の深い栽培技術は連綿と現在の技術陣に受け継がれています。 担当の職員は数代にわたっているでしょうか。 日常の植物の栽培管理の中から、技術が絶えることなく受け継がれてきたと確信しています。 この技術が伝承されなければ、すばらしい「宝石の塔」を日本で見ることは出来ません。 過去、いくつかの関連植物園に種子を譲与しましたが、継続してここまでの規模の開花を成功させている例はほとんど聞きません。 開花に至るまでは、技術陣の試行錯誤・右往左往の物語でもあります。
1.物  語
・国内初導入ですから栽培のノウハウが全く無いところからの、感動のドラマ。 ・カナリア諸島はアフリカ大陸北西部の西海上約100kmのスペイン自治州で、これは温室で栽培するべき植物だろう、と思いますが、なんと、・露地で開花させることに成功しました。もちろん、 ・国内初の快挙。・技術職員の我慢を重ねた、持続した積み重ねの努力の大きな成果です。 ・試行錯誤の結果、栽培のノウハウを作り上げました。(完成ではありませんが)
2.種子を播種する時期
取り播きすれば、生育不良。翌年の1月から2月の播種はうまくいった。
3.鉢上げ、鉢替えの時期・回数
鉢上げの年にさらに鉢替えするが、繊細な根故に作業は細心の注意を払う。
4.夏場の水やりの方法
乾燥気味の管理が必要で、水やりは出来るだけ我慢する。
株の状態を毎日観察し、顔色を伺う。 芯に水を掛けると腐るので、一鉢ずつ株元に丁寧に水をやる。 自動散水はもってのほか!
5.植え込み場所を今の場所に選定したこと
播種後、2年目の秋に植え込むが、冬の吹きすさぶ寒風を避けるため、常緑のクスノキ並木の南側で樹齢100年ほどのヒマラヤスギの近く(この大木の根があることで、土は乾燥気味になる)を選んだ。
6.植物園の現場を知り尽くした技術職員だからこその、なせるワザです。・驚きと感動の世界にいざないます。 ・けれど、100%の開花はやはり難しい。 ホンマモンの生きた植物ですので、人間の思うようにはなりません。 今年、61株中、20株は開花に至りませんでした。 花は勝手に咲くのではなく、咲かせています。 カナリア諸島に思いを馳せつつ、エピソードを思っていただき見てくださると、 「宝石の塔」もきっと、喜ぶことと思います。 (園長筆)
京都府立植物園 植物園よもやま話より引用
by leuko | 2010-05-19 21:51 | 植物